あまりさんののっぴきならない事情

 さあな、と曖昧に誤摩化したはずなのに、
「そうなのかー。
 もうそういう関係なのかー」
と言ってくる。

 何故、わかる……。

 年の功か? と思っていると、
「へー。
 顔に似合わず、アバズレだなあ。
 結婚前に」
と言ってきた。

 アバズレ……。

 今でもそんな考えの人が居たのか、と思いながら、
「そうじゃない。
 俺が無理矢理――」
と言いかけると、

「お前、強姦魔か」
と言ってくる。

 ……お前はあまりか、と思っていると、
「でも、面白そうだから、今度見に行ってやるよ」
と遥真は言い出した。

 なにっ? と思っている間に、勝手にあまりの写真を自分のスマホに転送しようとしている。

「駄目だっつってんだろっ」

 二人で揉めていると、呑気なことに、まだ寝ていたのか、母親が階段に、けだるい感じで現れた。

 上から自分たちを見下ろし、
「遥真さん、いらっしゃい。
 あら、海里、なんで居るの?」
と言ってくる。

 おい……。