あまりさんののっぴきならない事情

 あまりが動かないので、自ら珈琲を運びに出てきたマスターが、
「うちはどっちでもいいよ。
 あまりちゃんの好きなように」
と笑って言ってきた。

 ……秘書、とあまりは、まだ口の中で呟いていた。