「いやー、最高に幸せですっ」
風呂を出たあまりたちは、夕食の出る別の個室に行っていた。
さっき、海里がこちらを見てくれないと不満に思ったことなど、あまりは既にケロッと忘れていた。
風呂も料理も最高だったからだ。
「さっきまで、海を求めてさまよってたというのに、突然の素敵な宿に美味しい料理。
信じられません。
カメに助けられて、竜宮城に連れてかれたときの浦島太郎くらいに驚いています」
「いや……助けられたの、カメの方だからな」
っていうか、竜宮城に行く前に、カメがしゃべったところで、まず、驚け、と冷静に言われた。
「もう酔ってるだろ、お前」
氷でできた器に入った刺身の向こうで、海里が言ってくる。
「いいえ。
酔ってません」
と言いながら、イケメンより刺身が大きく視界に入っている時点で、酔っているかもな、とちょっと思っていた。



