あまりさんののっぴきならない事情

 いや、ふさわしいかと思ったんですけどね、と思ったあとで、あまりは気づいた。
 
「あれっ?
 あんなところにも一番星が……」

 さっきまで見えていた小高い場所の陰から現れた光を指差す。

 斜め前にある山の中腹だ。

 そこに光っているものがあった。

「海里さんっ。
 人工の光ですっ。

 街灯じゃないっ」

 かなり大きな光だ。

 建物の光のように見えた。

「あれ、もしかして、宿じゃないですか?」

「携帯も通じないのが売りの秘境の宿か?」

「秘境バンザイですね。
 行ってみましょう」

「待て。
 あれ、山の中腹だぞ」

 此処からかなり距離がある、と海里が言ったとき、別の光が見えてきた。