あまりさんののっぴきならない事情

「本社時代、お偉いさんの今日は無礼講って言葉に騙されて、飛ばされた人を何人も見てますからねー」
と陽気だったのだが、そのうち、

「支社長っ。
 何故、私は支社に飛ばされたんですかねーっ?」
と泣き出した。

「私、専務の秘書で。

 バリバリのエリート秘書だったと思うんですけどっ。
 この脂の乗り切ったときに何故、支社にっ」
と普段は言わない本音をぶちまけ始める。

 いや、無礼講って言葉には騙されないんじゃなかったのか? と思いながら、

「いや、単に、俺がこっちに配属されたからでしょう。
 本社に戻るときは、秋月さんも一緒だと思いますが」

 たぶん、室長はさすがに引退してしまうと思うので、と言うと、
「じゃあ、私、社長秘書になれますかねっ?」
と言ってくる。

「まあ……俺が社長になれればなれるんじゃないですかね?」

「じゃあ、頑張って、専務一派を追い落としましょうっ」
と秋月は手を握ってきた。

 いや……それ、貴女の元上司では。