【完】金曜日は、八神くんのモノ






かぁああ、と顔に熱が集中する。


「そ、そんなの知ってるくせに…!」

「言ってくれなきゃ、わかりません」



身じろぎをして逃げようとするあたしに追い打ちをかけるように、八神くんは額をあたしの額に当てた。

それだけでまた熱くなって、わけもわからず涙が出そうになる。



「い、意地悪だわ……」

睨むと、また彼の口角が上がって。


「いいじゃないですか。こっち向くまで、散々待ったんですから」

「っ」


早く、と急かすように、八神くんはあたしの目を見つめる。

どちらかが動けば唇が触れそうな距離の中、やっとの思いで口を開く。








「……す、好き」


それを聞いて、八神くんは満足げに笑う。

そして。



「…よく出来ました」


「…んっ」




あたしにそっと、口付けた。