【完】金曜日は、八神くんのモノ





全部知ってたのに言わなかったのは、あたしのため??

…なにそれ。そんなの、…。


俯いて、前髪で顔を隠す。


「本当は諦めようとしてたんです。だけど、やっぱり新堂先輩と仲よさげなの見てはイライラして、無理だって思って。
ノートに印押してもらうことで、先輩達の邪魔してました」


子供っぽい理由…ですけど。
そう笑って、八神くんは再びノートを手に取る。


…毎週金曜日、同じ本を借りにくる八神くん。
毎度毎度 絶妙なタイミングで本を借りに来るなとは思っていたけど、やっぱり意図的だったのね。




「これで、隠してることは全部です。

…ところで先輩。確認なんですけど流石にもう、気づいてますよね?」

「へ?」


唐突な質問に、パッと顔を上げると、至近距離にいた八神くんと目があって、一歩後ろへ後ずさる。
だけどその分、彼も距離を詰めてきて。


「これで俺の気持ち伝わってなかったら、キツいんですけど」

「……っ」




トン、と壁際まで追い詰められる。