【完】金曜日は、八神くんのモノ




「っあの!八神くんって、まだいますか?!」

1-Aの教室を覗いて、扉の前で談笑していた男の子達に声をかける。

彼らは驚いた顔をした後、首を横に振る。


「綾人ならたった今、出て行ったところで…」

「!そう……。ありがとう」


礼を言って、教室を出る。


…何を安心してるの、あたし。まだ八神くんは帰ってない。


決着をつけるって、決めたでしょう。



気持ちが急いて、自然と急ぎ足になる足に任せて、校門までの道を急いで引き返す。


「……いた!!」


後ろ姿だけだけど。 見間違えるわけない。


「っ…」


八神くん! そう声をかけようとして、気づく。

彼があたしの声を聞いて、立ち止まってくれる保証なんて、どこにもない。
なんなら、逃げられてしまうかも。


そう思った時、八神くんのすぐ横…多目的教室が目に入る。

2人で話すなら…あそこくらい。


覚悟を決めて、ぎゅっと拳を握る。



「ちょっと、ごめん!!」

「えっ」


ぐい、と後ろから彼の腕を引いて、空き教室へと突っ込んで、鍵をかける。