ドキドキと妙に高鳴る胸を押さえて筆記具を持つけど、当然授業なんか全く頭に入らなくて。
ノートなんかほとんど取れないまま、終業のチャイムが鳴る。
……なんか、ここ一番ってくらい、緊張してる。
あたしが声をかけた時、彼はどんな顔をするだろう。
また、傷ついたような表情をみせるのかしら。
帰りのSHRもほとんど上の空で終わって、鞄を持って立ち上がるクラスメイト達に気づいて、慌てて席を立った。
ぼーっとしてたら、八神くんが帰っちゃうかもしれない。
そう思って少し小走りで教室を出るけど、教室内にはあたしを含めてもう3分の1くらいしか残っていなくて。
「…もう、帰ってたりしない…よね?」
八神くんの教室へと向かう中、不安の呟きがこぼれ落ちる。
そのうちに、彼の教室が見えて。
…いてほしいような。いてほしくないような。
複雑な気持ちを抱えて、足を早めた。



