思わず退いた足から、がくんと力が抜ける。
「柊っ!」
ーガタタンッ
脚立から落ちたあたしを、すぐさま受け止めてくれて。
それでまた、ばくばくと心臓が跳ね上がる。
「ご、ごめん……」
「全然。気にしないで」
「……ごめん……っ」
「………だから、そんなに謝らなくても大丈夫だって」
ーー違う。そうじゃないこと、新堂だってわかってるくせに。
抱きとめてくれた腕から抜け出そうと肩を押すけど、新堂くんは腕を緩めてはくれなくて。
「…新堂くん」
「ねえ柊、……もう、遅い?」
「っ…」
どうして。そんなこと、言わないでよ。
「…遅い、よ、」
遅いよ。あたしはもう、一歩、踏み出してる。
震えた声で告げると、新堂くんは寂しげに笑って、あたしをとらえていた腕を離した。
「…俺ね。本当は、柊が最初 俺のこと好きなんじゃないかって、気づいてたんだよ」
「なっ……」
降ってきた衝撃的な言葉に顔を上げると、彼はまたふわりと笑んで。
「だってそれは、…俺が仕組んだことだから」



