うつむいて、来た道を全速力で引き返す。
途中ですれ違った人達が振り向くのも気にならないくらい。
ズキズキと胸が痛んで、唇を噛んだ。
普通傷つくのはあたしのはずなのに、最後に見た奴の顔が、頭から離れない。
……そうやって君はいつも、あたしに隠し事ばっかりだ。
ーーガラッ
「うっわ誰……って真琴かぁ。猪かと思っちゃった。早かったね??」
「……、理彩、あたしは人間だからね、間違えないでね」
教室のドアを開けた瞬間に聞こえてきたひどい言葉に、曖昧に笑いかえす。
……だめだ。これ多分、うまく笑えてない。
その証拠に、理彩がぽかんと口を開けてこっちを見ていて、それがどうにも気まずくて、彼女の背中を思い切り叩いた。
「い"っ……!」
「なにその間抜けな顔!
待たせてごめん、ご飯食べよう」
「ちょっとこの馬鹿力ー!」
「暴力があんたの特権だと思ったら大間違いよ」
「私が普段暴力ばっかみたいな言い方やめてくれます??!」
理彩があたしの空気を察して普段通りに振舞ってくれたことで、少し心が軽くなる。
そのまま笑い合って席に座って、お弁当を開けた。



