【完】金曜日は、八神くんのモノ




「なっ…」

嘘つきって、あたしが??
そりゃ確かに嘘は吐いたけど、それをあんたが言うの???


「……八神くんだって」

「はい?」


ぎゅっと拳を握りしめる。

「八神くんだって、あたしに隠し事ばっかりじゃない!
それにあたしが新堂くんとデートだったからって、あんたには関係ない!あたしのことただの暇つぶしぐらいにしか思ってないくせに、そんなこと言わないで!!

八神くんは、ゆり先生と仲良くしてたらいいじゃない……!」

「な、何言って……」


驚いた八神くんが、目を見開いてあたしを見る。


「…見てたんだから。この間、放課後、ゆり先生と2人でいたところ。
随分と楽しそうだったわね?何してたの?」

「!そ、れは……」



何か言いたげに、でも結局は目を伏せて黙り込んでしまう八神くんに、胸がずきりと痛む。


……なによ、何か、言い返してみなさいよ。

『それは違う』って、『誤解だ』って、言ってよ。


「…八神くんの馬鹿………!!!」

「せんぱ…っ」


伸ばされた手を振り切って、ドアを開けて、逃げる。


言いたかった言葉はこれじゃないのに。

見たかった表情だって、あんな顔じゃなかったのに。



「どうしてうまくいかないの……!」