* 季節は流れ。 高3の、初夏。 「僕、茉帆ちゃんと付き合うことになった」 放課後。 桃惟があたしに、そんなことを言いにやって来た。 「菜帆へのあてつけとか、そんなつもりはないから」 わかってる。 「ちゃんと、大切にするから」 わかってるよ。 家に茉帆を迎えにきた桃惟は、とても優しく笑っていた。 あんな顔して笑う桃惟、あたしは知らない……。