心愛が触れる手が冷たくて心地いい。

 薄く目を開けると心配そうにこちらを見る心愛がいる。
 愛おしく思いそうになって、また目を閉じた。

「頭を冷やすのがいるかな…。」

 そうつぶやいた心愛が離れていくのを感じて、つい腕をつかんだ。

「バカココ。行くな。」

 あぁ。昨日もこんなこと言ったな…。

 そうぼんやり思っていると心愛の気の抜けた返答が返って来た。

「また異常行動?どうしよう。添い寝した方がいいのかな…。」

 ハハッと笑いたいのにつらくて笑えない。

 冷んやりした手が今度は頬に添えられた。

 気持ちいい…。側に…いて欲しい。今だけ。今だけでも。