俺は全力疾走で家に帰る。
駅から家までは徒歩20分とやや遠目。
由仁が何処にいるか分からないから、取り敢えず早く家に帰ることに集中する。
ゼェゼェと普段動かすことない俺の身体を酷使する。
信号に捕まり、足を止め、青になった瞬間走り出す。
…死にそうにしんどかった。
家のマンションが見えてきた時には、足がプルプルし始めていた。
何とか家に帰った俺は玄関を開けて、由仁がまだ帰ってきていないことを確認した。
靴を脱いで上がり、少しでも由仁が快適に過ごせるように冷房をかける。
氷を入れて由仁の飲み物も用意した。
その頃にも俺の息は落ち着いてきていた。
数分の出来事が何時間ものように感じられ、俺は折角冷房のついたリビングにも入らず、玄関からリビングに繋がる短い廊下をウロウロしていた。


