「楽しそうだな」
川野くんも微笑ましそうに見ていた。

「ねぇねぇ、木原さんって誕生日いつ?」

「あたしの誕生日は7月1日だよ」

川野くんがいたから普通に返した。

「7月1日って……来週じゃん」
山下が驚きあたしを見る。来週、来週の日曜が誕生だ。

「ケーキ食べるの?」
キラキラした目で山下は見てきた。こいつは食べ物の事しか考えてないのか。

「親、両方ともどうせ仕事だからいつもと変わんないよ。毎年そうだし。だからケーキはたべない」

川野くんがいるのに冷たく返してしまった。


「じゃあ!友達と誕生日会とかはしないの?」


「しない、1人で過ごす」
そう返すと誕生日の話は終わった。

「送ってくれてありがとう」

暫く歩きあたしの家に着いた。


「うん。また、明日学校で」

山下は元気よく手を振る。

「じゃあ、木原さん」


「またね」


あたしはそう言って玄関を閉めた。