恋をする、その先に…


すべての説明が終わり
ヒメに起きた過去の全貌が
明らかとなった。


それは
想像していた以上に
過酷なモノ。


ヒメが思い出し
声にしたその内容が
胸に突き刺さる。

同時に
ナツメは父親に
何1つ言葉が掛けられなかった。


生半可な気持ちで
言えるワケがない。


それほど
この2人の親子が
経験した過去が
地獄だから。



「僕が一緒にいながらと…
 何度も責めました。
 でもそれ以上に
 あのコは自分自身を
 今でも責め続けています。
 姉に助けてもらわなければ
 母も姉も死ぬ事は
 なかったんだと――」



グッと握った拳に
父親の苦しさが伝わってくる。



「思い出さなければ
 きっと苦しまずに
 済んだと思います。
 けれどあのコなら
 きっと…」


「…向き合うと思いますよ。
 彼女なら」



父親の言葉を支えるように
ナツメは優しく答えた。


父親は目に涙を浮かべながら
『はい…』と
声を絞り出すのが
精一杯だった―――



それから―――


ジルヴァラを出て
マンションへと帰宅。

父親もナツメの計らいで
空いている部屋に
泊まらせてもらう事にした。