「母親は姉の死を受け入れられず
精神的に病んでしまい
“ヒメ”を見る事を
しなくなってしまった。
ずっと彼女に見えていたのは
“姉”だけ…」
死に急いだ母は
姉の事故から数週間後の深夜
大量の睡眠薬を飲み
首を吊って亡くなった―――
「それもヒメは見てしまって…
僕が心臓マッサージしている姿も
ずっとその場から離れなかった…」
『来るな』と静止しても
瞬き1つせず、ずっと…
「母親の遺書があってね…
“ごめんなさい、お姉ちゃんのところに行きます。
さようなら”って」
遺されたヒメは
この時もまた
涙が出なかった。
「でもあまりのショックに
ヒメは気を失ってしまって
病院で目が覚めた時には
姉と母親の記憶が消えていたんだよ」
それは
姉と母の死への恐怖と悲しみから
無意識に自身の記憶から
トラウマを封印してしまったのだ。
幸いにも脳に異常はなく
その一部以外の記憶はあり
普段の生活に支障がないため
通常通りの生活にはすぐに戻れた。
そして
すべてを忘れるために
一緒に外国へ渡米。
2年後
気持ちが落ち着いたため
ヒメだけ帰国した―――


