会議室で準備をするヒメは
2人が何を話しているのか
気になって仕方なかった。
「まるで三者面談みたい…
いや、アタシはいないから
二者面談か…」
ソワソワしながら書類をコピーし
冗談みたいな独り言を呟く。
学校に親が呼びだれている気分で
いたたまれない。
「まさか…
“娘をお願いします”
…とかじゃないでしょうね。
…まさかねぇ」
“二者面談”→“両親への結婚の挨拶”
想像は大きく膨らむばかり。
結局―――
しばらくしてナツメは戻ってきたが
父親との会話の内容は明かさず
知らぬ間に父親は会社を出ていた。
その夜
仕事を終わらせたナツメは
ヒメに『急用』とだけ伝え
早々と帰宅。
ヒメは1人会社で
残った自身の仕事を残業した。
―――ジルヴァラ。
「すみません…
今日は急に来てしまって」
「いえ、お会い出来て嬉しかったです」
隅のテーブル席で
酒を片手に向き合うナツメと父親。
見慣れない光景に
ギンも不思議そうだ。
「…気付いていたんですね。
僕が来た理由…」
先に本題を切り出したのは父親。
グラスをテーブルに置き
俯き加減に笑顔が消える。


