恋をする、その先に…


「イギリスでお仕事されているんですか」


「そうなんですよ。
 なかなか娘にも会えずでして」



社長室で
語り合っているナツメと父。


ヒメはお茶を出しながら
どうしてこうなったのか
呆れてしまった。



「社長、次の予定があるので
 なるべく手短にお願いします」



秘書としては
アポのない来客は
改めてもらいたいところなのだが
まさかの“父親”だ。
なんとも複雑だが
仕事を優先にさせた。



「社長さん
 お忙しいですよね。
 すみません
 時間を取らせてしまって」


「いえ。
 全然大丈夫ですよ。
 それに…」



ナツメは何かを言い掛けて
話す事を止めてしまった。

そして…



「神崎
 先に会議の準備を頼む」


「え、うん…
 わかった」



ヒメに席を外させ
父親と2人きりになった。


ナツメ自身
父親の登場が
何を意味しているのか
すぐに察したのだ。



「今晩、もし良ければ
 私と食事でもどうですか?
 泊まるところも
 良ければ部屋を貸しますし」


「社長さん…?」


「何か…
 お話があったのかと思いまして。
 私で良ければ聞きますよ」



父親はそんなナツメの言葉に
自分の言いたい事が伝わっているんだと
気が付いた。