「そう…だ。
言わなきゃ…」
なんとか意識を覚醒させ
体を起こそうとした。
「待て。
今はゆっくり休め。
復活したら聞くから」
「今じゃなきゃ…」
『大丈夫』と
心配そうな2人を他所に
ヒメは東條社長の姿を見つけると
小さく呟いた。
「スバルさんの
声を、聞いてあげてください」
その言葉に
東條社長を始め
スバルも驚いた様子だ。
「スバルさん、苦しんでいます。
東條社長が、彼の心の声に
ちゃんと、向き合って…
社長である前に…お父さんだから…
耳を、傾けてください」
ポツリ、ポツリと
単語のように発し
体の力が抜けていくのを
ナツメは毛布越しに感じる。
まだ睡魔は抜けないようだ。
「どうして…
この人はこんな状況でも
僕の事なんか…
こんなひどい事をしたのに…」
スバル自身
ヒメの言葉で
事の重大さと後悔に
ようやく目が覚めた。
「ヒメちゃんは…
そういうコだよ。
どんなに自分の状況が悪くても
そんな事を考えたりする前に
人の心配をするんだ」
誰よりも
シキが1番よく理解していた。
以前にも
同じ事があったのだから。


