「眠っているだけみたいだけど…
それにしても眠りが深いな…」
寒い中で眠ったままだと
凍死する恐れもあり
それが1番気がかりだった。
「ヒメちゃんに何したんだ!?」
近くまで来て様子を伺っていたスバルに
シキは今にも掴み掛かりそうな勢いで
血相を変えて怒鳴った。
「僕は…
少しだけワインに睡眠薬を入れただけで…
そんなつもりじゃ…」
”睡眠薬”
その恐ろしいフレーズに
血の気が引く。
「酒と睡眠薬で
こんな寒いところに放置なんて…
カンベンしろよな…」
ナツメもまた
最悪な最期が脳裏を過り
なんとかヒメを目覚めさせないとと
逸る気持ちが強くなる。
すると。
それに応えるかのように
少しだけ
ヒメに動きが見えた。
「…あれ、アタシ」
薄っすらと
目を開けたのだ。
その瞬間
ナツメとシキは心底ホッとし
胸を撫で下ろした。
「神崎、わかるか?」
「大丈夫!?ヒメちゃんッ」
すぐ目の前で
必死に声を掛ける2人に
朦朧とする意識の中で
少し反応を示した。
「あー…
助かった…」
今にも眠ってしまいそうなほど
意識が混濁しているが
徐々に体に熱は戻ってきたようだ。


