「新藤社長は
僕の持っていないモノ
すべて持っている…。
地位も名誉も会社も
秘書まで…。
神崎さんが言ってたよ。
『支えたい』だとか
『尊敬してる』だとか…。
僕はそんな言葉を
1回だって誰からも言われた事ないのに!」
誰の反論も受け付けず
とにかく言いたい事を
言い続けたスバル。
誰もがそんな身勝手な彼の意見に
呆れていた。
けれど
意外な人物が口を開いた。
「お前に
ナツメの何がわかるんだよ」
それは
誰よりも頭に血が昇っていたシキだ。
「ナツメはな
アンタ以上に苦労してきてんだよ。
努力して今があるんだよ。
何も知らないくせに
ふざけた言ってんじゃねーぞ」
「シキ、やめろ」
ナツメがまた制止するも
今度は、やめる事をしなかった。
「親に守られてるだけ
父親である社長に感謝しろ。
ナツメとヒメちゃんを
巻き込むんじゃねーよ」
ほとんど人が変わったように
怒りの込もった言葉を突きさすシキ。
それを黙って聞いていたナツメだが
一言だけ、スバルに伝えた。
「そこまで苦しんでいた事に
誰も気付いてあげられなかったのは
申し訳なかった…」
…と。


