恋をする、その先に…


「ストーカー男の一件もあるし
 また事件に巻き込まれているかも
 しれねーよな…」



シキの表情は珍しく硬く険しい。
心底ヒメを心配している様子が窺えた。



「俺、ちょっと近くを捜してくる」


「お、おいッ」



ナツメが止める間もなく
シキは駆け足で
人混みの間をすり抜けていってしまった。



「ったく、アイツは…」



シキを追い掛ける事はせず
携帯を取り出しヒメに電話を掛けるが
電源が入っていないらしく通じない。



「まさか本当に神崎に何かあった…?」



ナツメもまた
なんとなく胸騒ぎを覚えていた。


シキの言う通り
“ストーカーの一件”があったのだから
このまま放っておいたら
まずいような気がしたのだ。


ナツメとシキは
それぞれ静かに動き始めた―――



――
―――



どれくらい
時間が経過したのだろうか。



「…ッ」



ヒメは激しい頭痛に
目が覚めた。


覚醒するのに
少しの時間を要したが
朦朧とする意識の中で
恐ろしい現実を目の当たりにした。



「んー!?」



口をテープで塞がれ
声を出す事が出来ず
両手首は後ろで手錠により繋がられている。
そして見覚えのない景色。


どうやら
監禁されたようだ。