「まぁ…正直
半分、成り行きもあります」
「成り行き?」
「アタシは秘書なんて
した事なかったから…。
毎日いろいろあって
ドジばっかして。
だけどいつも
社長は呆れながらも
見捨てなかった。
それに―――」
ナツメとシキが
ストーカー男から助けてくれた事
その事は“秘書”とは関係ないとしても
本当に感謝している。
だから、精一杯
新藤兄弟のために全うしたい。
「少しでも
新藤社長の支えになればと
思っています」
「…好きなんですね、社長の事が」
「はい。
尊敬している方です」
“好き”とは
また違う。
本当に尊敬している
自分の上司―――
「そう…なんですね。
本当に新藤社長が羨ましいな…。
僕も…
そんな人がいたら、良かったのに…」
スバルはあまりに小さく
消え入りそうな声で何かを呟いたが
それを聞き取る事が出来なかった。
「もう1杯
おかわり持ってきますね」
「あ、いえ…
アタシはもうこの辺で…」
あまり飲みすぎて
こんなところで
酔っ払うワケにはいかないため
飲酒する事を自粛したかったのに…
「あと1杯だけ。
僕に付き合ってください」
またあの優しい笑顔を向けられると
イヤとも言えず
彼に付き合う事にした。


