会場内へと歩くたび
他社の社長達が
次々にナツメ達に声を掛ける。
その度にヒメは挨拶がてら
自己紹介をしながら笑顔を向けた。
こういう時
ナツメの広い人脈に驚かされる。
若い社長なのに
誰もが皆
深く頭を下げていくのだから。
「主催者の社長のところに行くけど
神崎も行けるか?」
「もちろん。
そんな事で怖気づかないよ」
ココまで来ると
開き直りに近い気持ちで
ナツメについて行こうと思えるほど
肝も据わる。
会場の奥へと進むと
主催者の50歳代のダンディ社長が
多くの人々に囲まれているのを発見。
顔も名前も知らない初対面でも
その人物が主役だと
すぐに理解出来た。
「こんばんは、社長」
そう言って先に声を掛けたのは
ナツメだった。
「おぉ!よく来てくれたね新藤社長。
待っていたよ」
嬉しそうに笑みを浮かべるその男性は
ナツメの会社とは最近、取引を始めた
“東條(トウジョウ)社長”
「本日は、ご招待頂きありがとうございます。
大変光栄に思っております」
丁寧な物言いでナツメとシキは頭を下げ
それに釣られてヒメもお辞儀をした。


