「先生!」
俺たちが食堂に戻った時には、生徒たちはもう居なかった。
「これからの予定は全てキャンセルして皆を部屋に帰した。お前らも帰れ」
「桃花さんが亡くなってます」
そう伝えた瞬間、先生は顔色を変えた。
「二人目か!どうして!!とりあえず案内しろ!」
「こっちです」
また螺旋階段に戻る。
「確かこの辺りだったはずだ」
案内役の海の記憶が正しければ。
ただ、カメラアイは見たものを記憶するだけだから、こういう場所では役目を果たすことができない。
それでも記憶力はずば抜けてあるんだけどな。
「夢希、見たくなかったら階段で待ってろよ?」
海が扉を開ける前に確認した。
「大丈夫!」
「……よし。開けるぞ」
隠し扉を開ける。
中はさっきと全く同じ部屋だ。
机や椅子の角度まで違いはない。
だからこの部屋で間違いないはずなんだけど……。
「遺体がない……」
また、消失……?
「この部屋で間違いないはずだ……」
部屋の奥に行って、ポップな部屋の入り口を探す。
入り口は遺体があった時と同じ場所にあり、ポップな部屋もさっきとなんら変わりはない。
ここは遺体を見つけた時と同じ部屋だ。
間違いない……。
「遺体なんてないじゃないか。見間違いじゃないのか?」
先生は死者が二人なんて認めたくないんだろう。
「凶器も血の海も無くなってるな……」
どういうことだ……。
俺たちが食堂に戻って、再びここに来るまでにかかった時間は多くとっても15分。
15分で遺体を移動させるなんてほぼ不可能だし、あんなに大量の血の海も拭き取らないといけないとなると15分じゃ絶対無理だ。



