「……いただきます…」
昼食時には10人いた俺たちのテーブル。
今は9人しかいない。
誰も口を開かないまま夕食を食べ始める。
「さぁ、気持ちを切り替えて推理を進めましょうか」
は?
気持ちを切り替えて……?
「何言ってんだよ。お前」
花織の場違いなほど明るい口調に反発する。
「いちいち、しんみりなんてしてられないわよ」
「人が一人死んだんだぞ!?」
こいつ、頭狂ってる…。
さっきまで一緒にいた人の命が消えたんだぞ!?
「うるさいわね。それが何よ」
「〝それが何〟?ふざけんなよ!」
バンっと音を立てて立ち上がる。
「それくらいのことでしんみりしてたら探偵なんてやってられないわよ」
〝それくらいのこと〟?
「いい加減にしろよ!!忍さんの命を何だと思って─」
「翔耀!座れよ…。皆が見てる」
海に無理矢理座らされた俺の苛立ちは消えない。
「花織の神経を疑う。同じ事務所で活動してきた仲間が死んだんだよ……?」
星奈が震える声で言った。
「いちいち悲しんでたって時間のムダよ。だったら推理に時間を使った方が効率的でしょ?」



