━━翌日


学校につくと、智樹と心優が楽しそうに話していて、そんな光景別に珍しくもないのに俺の中にどす黒いものがまた渦巻いていて
あの二人に近づくのも嫌になっていた。
……けど

「あれ、大翔おはよ!入んないの?」


「いや、入るけど。」

結局、クラスのやつに見つかって、席に向かうしかなくなる。


「あ、大翔はよ!」


「おはよ。」


「……おはよ。」


普通に、笑顔で挨拶してくる二人に、俺は笑顔を向けることができなくて


「あれ、どこ行くの?」


「んー、サボる。一時間目数学だし、俺当たりそうだし。
適当にいっといて。」


二人から離れることしかできなかった。


"嫉妬"

そんなものに振り回されている実感と
そんなものに振り回されたくない思いと
なのにどうしようもできない俺。


相手は智樹なのに、沸いてくるこの感情がどうにもならなくて
智樹にイラつきたくないのに、イラついて

けど、それを絶対に悟られたくもないし、そんなことで智樹とぶつかりたくもないし、ぶつけたくもないから
今は離れるしかできなかった。


「あー、まじでめんどくさいわ、俺。」


西館のあの教室に入るなり、俺は床に寝た。
きっときれいじゃないんだろうけど、そんなことお構いなしに。


恋愛のそういう面倒なところも、辛いところも苦いところも知ってんのに
なんで俺はまた、恋愛なんかに翻弄されてんだか…


そんなことを考えつつ
俺はまた、いつの間にか眠りについていた。