仲良く手を繋ぎ、教室へ戻るとすでに智樹は戻っていて、クラスのやつらと楽しそうに話していた。


「あ、お前ら!俺を置いてどこへ行ってたんだ!!」


そしていきなり見つかる。


「智樹のコクられてるところを覗いてたんだよ。」


そう答えながら心優と一緒に席へ戻ると、智樹もこっちへ来て結局いつも通りな昼休みだ。


「え!智樹コクられたのかよ!」


「まじ!?誰に!?」


なんて、俺の発言に食いつくこいつらは
もう朝の気まずさなんて忘れてる。

それがこのクラスの、こいつらのいいところでもあるんだけど。


「ってか大翔見てたのかよ!」


「まぁな。
で、返事は?付き合ったわけ?どうした?」


「そんなん決まってるじゃん!俺は」


途中まで言って、なぜか智樹は思いっきりにやけた。
その意味はすぐわかったけど。


「……ずっと仁科ちゃん一筋だよ!」


そういって、智樹は思いっきり心優に抱きついた。


「…はいはい、離れて。」


「つーか俺の彼女だし。」


なんか、たぶん智樹にとってはかなり大胆な行動だったんだろうけど
心優はだいぶ冷静に智樹を剥がしていた。

一番冷静でいられていないのは、たぶん俺だけど。


「それより智樹、相談したいことあるの。
今日の放課後、時間ある?」


「相談?なんで俺じゃなくて智樹?」


「あるある!あるよ!ひまひま!」


「別にいいじゃない。
それに、大翔は今日バイトでしょ?」


……そうだけど。
でも別に明日でもいいじゃん。

相談をわざわざなんで智樹?
彼氏は俺じゃん。