街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー




━━━━━━━━━━━━━━・・・・


「…俺だけか…」


「なら大翔も送ればよかったじゃん。」


あれから、心優のアドバイスをおとなしく聞き入れてハードタイプではない軽いキャリーケースを買い、俺はゴロゴロと家まで引いていた。

俺だけ、な。


「金ねぇから節約しなきゃなんだよ。」


「まぁ近いんだからいいじゃない。」


心優は当たり前かのように配送を頼んだ。
…まぁ、車がないならそれが当然なのかもだけど…


「つーかこれじゃスーパーにも寄れねぇ。」


「家にあるもので作れば?」


「昨日使いきって醤油とか油すらなにもないんだよ。」


昨日バイトだったからスーパーにも行けなかったし。
…はぁー、面倒だけど1回家帰るか……


「まぁいいんじゃない?このまま行けば。
重いもの買ったらそのキャリーケースに入れられるし、ちょうどいいじゃん。
スーパーでは私がカート押せばいいんだし。」


「え、いいの?心優はそれで」


「いいに決まってるじゃん。
じゃなきゃ言わないでしょ。

それに、出直すのも面倒でしょ?」


……本当、この数日で心優は俺の性格ちゃんとわかってるよな。