「大翔ってさ、どうして彼女作らないの?」
部屋を出て、一言目がそれって。
どうして、なんて……
「好きになれるやつがいないから。」
それ以外に、どういう理由がある?
そりゃ好きでも片想いで終わることもあるだろうけど少なくとも好きなやつがいるくせに女遊びしてるやつはろくでもない。
そういうやつにだけは、俺は絶対になりたくない。
「好きな人なんてできるの?」
「そりゃできるわ。
これでも3年間、同じやつと付き合ってたんだからな。」
「へー、意外。」
あ、笑った。
……あれから、俺らと友達になってから
心優は少しずつ笑うようになった。
クスッと、本当に上品に。
……それに、智樹は落ちたらしいんだけど。
でも、やっはり俺はこいつはタイプじゃない。
大人びていて、全てが可憐で……無邪気さがないから。
「…ところでさ、11月に修学旅行あるけど。
どうすんの?友達もつくんねーで。
言っとくけど、必ず女と一緒になんねぇといけねぇのに
心優さ、まだ友達いないじゃん。
どうすんの?」
「別に。誰でもいい。
余ったところにはいればいいだけ。
大翔と智樹とは友達になったけど…私はやっぱり誰かと深く関わることはできないから。
深く関わって、深い傷を負わせるくらいなら私はひとりでいい。」
「ふうん。
…でももったいないよな。
お前って友達大切にできるやつなのにな。」
「気持ち悪いからそういうこと言わないで。」
「はいはい。」
照れてんなよ。バレバレだわ、バーカ。


