「…あの時、キスして悪かったな。」


「え、あぁ…うん。」


「あのあと心優怒って帰っちゃったけどさ、
でも俺、キスしたこと今でもぜんっぜん後悔してないから。」


「は?…なんで?」


「だってさ、俺がキスしたから心優は自分の気持ちに気づいたんだろ?」


「……え?」


そう、俺らの恋愛はきっとあのキスから始まったんだよな。
元カノに挑発されて、なんて理由だったかもしれないけどさ、あいつは俺の運命の相手を教えにきただけなのかも。
なーんて。


「ん~~っ!
……いい天気だな。でもさすがに朝じゃ夕焼けは見れないか。」


思いっきり伸びをして空を見上げ


「ま、いっか。」


「え、きゃっ…」


思いっきり、心優の腕を引っ張って引き寄せ、離れないように片腕を腰に回して心優の肩に顎をのせた。


「ちょ、だい「忘れたことなんか一度もなかったよ。」


もう、こっからは顔なんて見せられない。
俺の顔が熱くなるのがわかるから
心の底から照れるから
こんなこと、今まで一度もしたこともないし言ったことないこと言うから

もう、自信もくそもないから


だから、こんな顔は見せられない。




ちゃんと聞いてろよ。
お前の耳元で言ってやるから。




「…俺も、ずっと好きだったよ。
あのキスよりも前から、俺はずっと心優が好きだ。」