そんなくだらない話をして、笑って、
あっという間に地元へと戻ってきた。

なんでこうも楽しい時間はあっという間に過ぎていくんだろうな。


「じゃあね、大翔」


「明日、忘れんなよ。」


「忘れないよ。
また明日ね、大翔。」


「あぁ、また明日な」


ほとんどのやつが迎えに来た親と一緒に帰る中、俺と心優だけ歩いて帰る。
━━━全く別々の道を歩いて





そして翌日、大量の洗濯をして夕方を待った。

……なんてしてたらいつの間にか寝てて
気づけばもう15時手前で


こんなときまで遅刻したくなくて
俺は鏡を見ることもなく靴を履いて飛び出した。

いつもなら見た目を完璧にしてく俺が、そんなこと気にしてる場合でもなくて
心優との約束に遅刻なんかしたくなくて

必死に、学校まで走った。


はぁはぁと息を切らしながらも、西館の階段をかけ上がるといつもの教室の前に、心優は立っていた。

綺麗な笑顔が太陽に照らされ、誰もを魅了するようなそんなシーン。
あんなに嫌いだった笑顔はもう見せない。
心から幸せそうに微笑んでる心優が、一番綺麗だ。


「心優。」


「あ、大翔。
はは、すごい汗。」


「う、るせぇよ」


「どうせ寝坊でもしたんでしょ。
全速力で走ってくるとこ、ここから見えたよ。」


「うわ、まじかよ最悪。」


「最後の最後まで、本当大翔は変わらないよね。」


そういって心優はクスクス笑ってるけど
その言葉に、俺は笑うことはできなかった。