街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー




「━━はい、到着。」


「うわぁ、きれい。」


古宇利島、最初についたのはとりあえずビーチ。
とりあえずビーチだよ。


「すっげー。」


「大翔!俺らも入ろうぜ!」


「ちょ、待てよ」


「青木ちゃんたちも早く!」


車を降りるなり、智樹は海へ走っていった。

すでにここには多くの観光客がいて、裸足でビーチを歩く人、波打ち際で遊ぶ人ばかりだったから
俺らも靴と靴下を脱いで、荷物をタクシーの運ちゃんにみててもらうことにして、海へ入った。


「あー、めっちゃ気持ちいいなこれ。」


「今日は暑いからちょうどいいね。」


俺のとなりで笑顔でそういう心優。
白い砂浜に、エメラルドグリーンの海に、かなり綺麗は青空と積乱雲と、心優。


なんだこれ。絶景かよ。



「砂もすごい気持ちいいね。
さらっさらだ。」


「…あ、あぁそうだな。」


普段は絶対に見せない心優の裸足姿。
……まぁ、初めて俺んち来たときは裸足になったけど、あのときは全く意識していなかったからよかったけど…

なんか、いきなり無防備になったように見えて本能が…
本能が動きだしそう…


…………って!!俺は何を考えてんだ!
アホか!!


「大翔?どうしたの」


「なっ、なんでもねーよ!」


「なにそんな怒ってんの」


で、こんな時に笑ってんじゃねーよ。
こんな時に可愛い顔こっちに向けんなよ。くそ。

……あー!!めんどくせーな!
なんで女を好きになるとこうもめんどくせぇんだよ!!