街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー




ヤイヤイとうるせーくらいの言い合いをしてるといつの間にかもうロビーで


「いって!」

「いでっ!」


いきなり、頭をはたかれた。


「お前ら他の人に迷惑だよ!
もっと静かに来い!」


と、担任にも怒られた。


「ほーい。」


「ところで荷物はどうすんの?」


「荷物は俺が運んどくから、そこ置いて名簿にチェックしとけ。

それと、お前らが手配したタクシーにもう青木たちが乗ってるからさっさと行け。
あの白いワンボックスな。」


「はーい。」


と、とりあえず言われた通り、名簿にチェックをして俺らはエントランスを出た。


「おっはよー!仁科ちゃん、青木ちゃん!」


「おはよ。」


開いたままのドアの中を見れば青木と心優が一番後ろに乗っていたから、俺と智樹はその前に座った。

と、同時にドアがしまり、運転手がこちらを見た。


「ドライバーの山村です。
今日1日よろしくね。」


と、まさかの女ドライバーだった。


「よろしくお願いします!」


「じゃ、出発するからシートベルトはしっかりしてね。」


タクシー貸し切り8時間コースで3万。
高いのか安いのかもわからないけど、せっかくだから古宇利島だけではなくていろんなところを回ってもらうことにした。

なんせ、智樹のいきたいところが多すぎて。