街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー




━━ブーッブーッブーッ…


「わり、電話。」


平日のこの時間に電話なんて珍しすぎるから、相手なんて大抵予想つくけど
一応画面を見ればやっぱり予想通りの"河合智樹"の文字。


「なんだよ」


『あ、大翔どこにいんだよ!
腹へったわ!』


「はぁ?」


『どうせ仁科ちゃんといるんだろ?
早く戻ってこいよ!飯行こ、飯!』


「はいはい、わかったよ。
5分くらい静かに待ってろ。

……ったく。」


さっきアイス食ったばっかじゃねーかよ。
もう腹減ったのかよ。


「智樹?」


「あぁ、うん。そう。
腹へったから早く戻ってこいってさ。」


「はは、そっか。
じゃあ戻ろっか。ご飯何がいいかな~」


心優はそういって、先にベンチから立ち上がった。
その背中には俺と同じキーホルダーがついたリュック。

シンプルなリュックに、紅いもタルトが1つ。


小さいキーホルダーだけど、その存在感がでかすぎて思わず笑ってしまったけど
下を向けば、膝の上に乗る自分のリュックにも同じキーホルダーが存在していて
これまたすごい存在感で、なんだか笑えるけど
心優と一緒だから、悪くないとも思えた。


「大翔?行くよ?」


「……おう。」