「あ、そうだ。
心優にこれやるわ。」
「なにそれ。」
これやる、とか言いつつ小さな袋から中身を出すのは俺。
「ん。」
出てくるのは、昨日智樹と青木のを心優が買ってるときに俺が選んだ、あれ。
「……なにこれ。」
「紅いもタルトのキーホルダー。」
「それは見ればわかるよ。」
「や、なんかさ
智樹と青木だけがお揃い持つより、俺らも持ってた方が自然じゃん?
智樹なんか人一倍、恥ずかしがり屋だし。」
「あー、なるほどね。
……でもなんでまた紅いもタルト…」
「うまかったじゃん。試食。」
「……ま、大翔っぽいか。」
「どういう意味だよ」
心優は呆れてんのか、紅いもタルトを見て笑った。
バカにしたように、だけど。
だけどそんな顔を見れた俺も、自然と頬が緩んでいく。
……もう、彼氏じゃないけど
でも今は違う立場でも心優の一番近くで心優の笑顔が見られるなら、それだけで十分だ。
「よし、ついた~。」
心優はそういって、紅いもタルトをついたリュックを前に出した。
「大翔は?つけないの?」
「あぁ、つける。」
━━こうして、俺らの鞄には一緒のキーホルダーがつけられる。


