とりあえず、俺もちょっとだけでも心優と二人になりたくて
二人きりで喋りたくて、中庭に出てみた。のは、いいんだけど……
「……場所変えない?」
「…そうだな。」
あっちのベンチにも、向こう側のベンチにも、それぞれカップルが座ってて居心地が悪すぎた。
しかもどいつもこいつも南高のやつだし。
「そういやあのキーホルダー、どうするかぁ」
仕方なく建物内に戻った俺らだけど、心優が部屋に戻ると言い出さないためにも
俺は新しい話題を振った。
……なんで俺、こんな必死になってんだか…
「あんまり意識させない方がいいよね。
明日はクラス行動だし…明後日は?朝から夕方まで班行動じゃない?」
「あ、そうだな。
じゃあいいもの見つけたんだよ~、っていう設定で。」
「うん、わかった。」
・・・やべ、終わった。
なに俺は勝手に完結させてんだ!!
もっと繋げろよ。アホかよ。
「そういえば大翔ってさ」
「ん?」
……って、やったね。
心優から話振ってくれたし、これでまた少し延ばせるかな…
「あんまり、笑わないよね。」
━━━え?
「え、そうか?
結構笑ってるつもりなんだけど。」
「智樹が言ってたの。
昔はもっと心の底から楽しそうに笑ってたのにな、って。
こんなに冷めてなかったのにって言ってた。
……ねぇ、大翔は本当はどういう笑顔をしてるの?」
心優のその問いに
「別に。これが俺の素だし、ただ単に精神年齢が上がっただけだと思うけど。」
なんて答えればいいのか、わからなかった。


