「━━おぉ。地味。」
部屋に入るや否や、智樹がそんなことを言うけど、まぁ修学旅行で二人部屋ってだけましな気がする。
大部屋じゃないだけ、な。
「とりあえず風呂だよなー。」
「だな。下行くか。」
部屋に入ってすぐチェックする風呂とトイレ。
狭い部屋にベッドが2台だけのこの部屋だから、風呂も当然ユニットバスで、聞くこともなく大浴場へ行くことが決定した。
ってことで…持参した部屋着と、持参したサンダルを履いて、俺らは風呂へと向かった。
「……ずいぶん準備がいいんだな。」
「俺肌弱いからさ~」
智樹はというと、シャンプーやリンス、固形石鹸まで持参していた。
ま、中学の時もそうだったけど。
「ってかさ、智樹って青木に惚れてんの?」
「え゛!?」
……なんつー声。図星かよ。
「いつから?どこがいいわけ?」
「ど、どこって……
あ、青木ってさ、眼鏡してるじゃん?」
「あぁ」
「あれ外すとさ、犯罪級に可愛いんだよ!」
「・・・はぁ?」
「俺この前見ちゃったんだよ!
前にさ、廊下でたまたま青木にぶつかっちゃって、青木の眼鏡落としちゃって!
で、俺が拾って渡したら笑顔でお礼言ってきてさ…
マジであれはやばい!仁科ちゃんとは違う可愛さ!」
「・・・はぁ。」
「それからどんどん意識しちゃって、同じ班だから喋る機会も多くて、
で、いつの間にかな。」
……あ、そ。
「告んねーの?」
「恥ずかしくて言えるか!!」
「なんで?」
「……だって、俺みたいのが青木ちゃんのこと好きなんて…
どうせ、信じてもらえねーし…」
「そんなんだからいつまでたっても彼女できねーんだよ。」
「うるせーよ!」
ま、確かに智樹が青木を、なんて似合わなすぎる。
こんなやつが、こんなお気楽そうなやつが、こんな楽しいこと大好きそうなやつが、
あの真面目で静かな青木に惚れてるなんてな…


