そこからはひたすらバス。
ずーっとバスに揺られ、俺は眠く……
……なる、はずもなく
「大翔!海見えた!海!!」
「わかってるわ」
隣に座る智樹がひたすらうるせー。
俺も、修学旅行だし初の沖縄でテンションは上がってるには上がってるけど
とにかくこいつが先回りしてすべて反応するから、俺にはなんの発言の番も回っては来ない。
「今どこ向かってんだっけ?」
「首里城。」
「まじか!楽しみだな!」
「……そうかぁ?」
俺は早く自由行動になってほしいよ。
今日は夕方まで自由行動ねーし。
「大翔」
「ん?」
俺の左側と違って、右側の通路の向こう側は静かな時間が流れていて、若干羨ましく感じる。
温度差がすごくて風邪引くわ。
「お菓子。食べる?」
「あー、もらうもらう。」
「じゃあ智樹の分も取ってね。」
「おう。さんきゅ。」
心優から回ってきたポッキーを智樹に回す。
智樹に回したところで静かになるわけでもないんだけど。
「……心優はどこが楽しみ?沖縄。」
つーことで、もはや心優に逃げるしかない。
「んー、やっぱり古宇利島。
あとは水族館かな。
でも沖縄って初めてだし、いろんなところ見れて全部楽しみだよ。
戦争のことだって学べるしね。」
「ふーん、そっか。」
真面目だ。さすが。
「大翔は?どこが楽しみ?」
「俺ー?まぁ水族館とか古宇利島は確かに楽しみだけどな。
どこって言われるとな。
でもとりあえずクラス行動中はそんなに。勉強系だと楽しくもなさそう。」
「ふふ、そっか。
でもきっと楽しいよ。智樹がいるから。」
そう笑う心優はなんか……
「若干智樹のことバカにしてるだろ。」
いつもとは違った笑い方をしていた。
「そ、そんなことないよ!」
「そういいつつ、めっちゃ笑ってんじゃん。」
そんな心優を見て
「……大翔もね?」
━━俺も、笑わずにはいられなかった。


