━━俺のクラスに転校生が来て早2週間。

こいつはいまだに友達ができていない。
……いや、作る気がない。

いまだに一言もしゃべらないし、ずっと一人でいる。


「仁科ちゃん、バイバイ!また明日ね!」


智樹はそれでも毎日諦めずに声をかけてるけど…返ってきたことは一度たりともない。


「お前さ、虚しくなんねーの?」


「まぁ仕方ねーなー。」


「ってかなんであの女にこだわるわけ?
まさかまじで惚れてんの?」


「さすがにそれは。
話したことすらないのに惚れることはない。」


「だよな。」


確かに美人だとは思う。それは認める。
でも…性格は絶対にありえない。

こんだけ智樹が諦めずに話しかけてんのに全部シカトだもんな。


「あ、てかさぁ大翔休みだろ?今日。」


「え?まぁそうだけど。なに。」


「よし!ナンパに行こう!」


「……は?」


「いくぞー」


「ちょ、待てって!引っ張んな!」


ナンパ?まじで?こいつが?嘘だろ?
ナンパなんかしたことねーっつーの!