それから俺らはそれぞれ靴を履き、校門を目指して歩いた。
外の陽気も気持ちよくて、空気が秋っぽくて好きだ。
「そういえば、智樹からちゃんと券受け取った?」
「あ、あぁ。
さっき財布の中にいれたはず。」
「……ちゃんと確認しといてよ?」
なんか心優が俺を疑うような目で見てきたから、仕方なく心優の手を離し、ポケットから財布を取り出せば、やはりちゃんとチケットは入っていた。
「ほら、あんじゃん。」
「よかった。
向こうついてから机の中に忘れた、とか話になんないからね。」
「さすがにそんなばかじゃねーわ!!」
「えー、そう?」
あ、笑った。微笑んだ。
なんだ。可憐じゃない微笑みもできるんじゃん。
腹立つくらい、バカにした笑みだけど。
「腹立つわ~」
「そりゃどうも。」
……ほんと、普通の女子高生だな。


