冬恋~さいごの贈り物~


『おはよ、芽依。渚桜!』



だけどそう思ったのは一瞬で、すぐにいつもの調子に戻ったから。


だから気のせいだって、そう思ったんだ。



『おはよ、みんな!』



『おっはよー‼』



一緒に教室に入った直耶くんはもう既に友達の元へ。


こうして見てると、昨日の事が夢のようにも思えた。



『…で?昨日あの後告白されたんだ?詳しく教えてよっ』



席についた私の耳元で静かに囁く渚桜。



『うん。ここだとあれだから…どこか移動しよーよ!』



『そーだねっ!』



私たちは1階上の空き教室へ入った。



『それでそれで?!どーなったの?』



興味津々の渚桜は身を乗り出して聞いてくる。



『えっとね、昨日家の前で急に告白されて…』



『なんて⁈』



『昨年からずっと好きだったって言ってくれたのっ』



『ふぅん…。志賀も隅に置けないなぁ~!』



ニヤケ顔の渚桜は次々と質問を投げかけてくる。



『それで?!可愛い芽依ちゃんは何て返事したの⁈』



『もう!渚桜やめてよ~!直耶くんには''少し時間をちょうだい''って言ったんだよっ』



『芽依にしては珍しいね!いつもその場で振るのに!』



『うん…でも』



『分かってる!志賀は他の男子とは関わり方が違うもんねっ』



『そーなのっ!だから悩んでて…』



やっぱり渚桜には私の事なんてお見通しだね…(笑)



『沢山悩めばいーよ!それで芽依が思うまま返事すればいいっ。わたしは芽依の選んだ選択を応援するだけだから‼』



『渚桜…ありがとっ』



『あったりまえよー!!』



私はさっきよりもずいぶんとスッキリした気持ちを抱えて教室へ戻った。



















『各自、さっき配っておいたプリントを確認しておくように』



朝礼では来週末にある課外学習の説明を受けていた。


さっきのプリントってなに…?


二列先の渚桜に目で訴えると1枚の紙を掲げて見せた。


周りを見ると渚桜だけじゃなく、皆も机の上にプリントを広げている。