冬恋~さいごの贈り物~


『分かった!じゃあ…明日ね、直耶くんっ』



恥ずかしく思いながらも私は彼の名を呼んだ。



『可愛すぎっ(笑)じゃーな、芽依!』



家に帰ってからもすごく真剣に考えた。


私は今後、彼とどうしたいのか。どうなりたいのか。


必死に考えた。


直耶くんの事、好きだったわけじゃない。


だけど他の男子とは決定的に違うこと…









それは



















─────彼なら好きになれる可能性が全然あるということだった。














今まで告白してきてくれた人は皆、少ししか話したことがなかったり…名前しか知らなかったり。


だから断ってきた。仲良くなることから始めたかったから。


けど…直耶くんは違う。沢山話して沢山遊んで。


彼の事はある程度知ってる。だけど彼は皆の人気者で…


別に奪いたいとか、自分のものにしたいとか思っているわけじゃない。


だからこそ、すごくすごく悩んだ。














─────まさかあの瞬間を見られてたなんて知らずに。



















その翌日。



『おっはよー!芽依っ』



『おはよ、渚桜!…あれ、私シューズだしっばなしだったっけ…』



閉まったはずのシューズが乱雑に放られていた。



『どんくさいなー、芽依は!しっかりしなよ~っ』



『あはっ。うん、ごめん!気をつけるー!』




















この日から、悲劇は始まった──────────



















『あ、芽依!最上!はよーっ』



『おはよ!直耶くんっ』



『あっれ~?二人とも呼び方変わってるー!もしかして…』



ニヤニヤする渚桜に



『違うよ!そんなんじゃないってばぁ!』



否定する私と



『俺が一方的に好きなんだ!最上だけには言っとくなっ』



真実を明かす直耶くん。



『任せといて!ヒミツにしとくからっ‼』



仲良く3人で教室へ向かった。




────ガラガラ




教室に入るとクラスメート…主に女子からいつもと違って鋭い視線を向けられたような気がした。