冬恋~さいごの贈り物~


『しょーがないなー!志賀の頼みなら行ってあげる!』



『さんきゅー、助かる!んじゃ放課後、いつものトコでっ!』



『おっけー!!』



当然、小学校なんてご近所さんが多くて。


私たちはいつも大きな公園で放課後を過ごしていた。



『いーなぁ!芽依と渚桜はいつも声をかけられて!羨ましいよ~!』



ムードメーカーの彼はただのムードメーカーと言うだけでなく、その容姿や優しさから沢山の子に想いを寄せられていた。



『だーいじょうぶだって!ただ一緒に遊ぶだけだから。ね?芽依!』



『うん!』



だからと言って私は別に志賀くんの事を特別に見ていたわけでも、想いをよせていたわけでもなかった。


ただ…''一番仲のいい男友達''くらいには思ってたけど……



『それならいーけど!楽しんでね~!』



『ありがとう!』



誰がどこまで志賀くんに対して本気なのか、この時は全く予想もつかなかった。






それほどに彼は騒がれていたから──────














✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣















『江藤!逃げろっっ!』



『ありがとう、志賀くん!』




──────そして放課後。




今日は缶蹴りをして遊んでいた。


男子は志賀くんとあと4人。


それに私と渚桜を含めた7人で私たちは公園を走り回る。


風をきって走る感覚はとっても気持ちよかった。



『芽依…相変わらず隠れるの下手すぎっ!丸見えだし(笑)』



渚桜と息を潜めながら会話をする。



『違うよ!見つける人が上手なんだってばぁ!』



こんな何気ない時間も



『はい、江藤と最上みっけ!』



『芽依のせいで見つかった!!』



『う、ごめん…!とりあえず…』



『『逃げろー!!』』