冬恋~さいごの贈り物~



自慢でも何でもなく、私はそれなりにモテてきた自覚はある。


告白の数や渡してもいないバレンタインのお返しのホワイトデーのプレゼントの数。


それらを見ればもう…一目瞭然。どれだけ鈍感な人でも気づくと思う。



『そんなに褒めても何も出ないよっ!それに…私よりも渚桜の方が可愛くて優しいし、明るいじゃん!告白とかされないの?』



だけど別にそれを鼻にかけてるわけでもなかったし、自分を特別視してるつもりも全くなかった。



『わたし~?わたしはそんなのされないって(笑)友達で充分‼』



『だよね!私も!』



『…ってことはイケメンくんも振ったんだ~?もったいないっ…!』



まだ小5だった私たちは世間でいう''ませた''子供で。


その頃から''告白をした''なんて話はざらにあった。



『だって…私には渚桜がいれば充分だもんっ!』



本当に、そう思ってたんだ。














この気持ちに、







───────────嘘なんてなかった。














『本当、嬉しいこというんだから!何もでないよ~?(笑)』



『本心だってば!』



『あはっ、うん。ありがと!芽依、大好きだよ~!!』



『私もっ。渚桜大好き!』



『江藤!最上!お前ら今日も混ざってくんね?人数足んなくてさー!』



そう私たちの名を呼ぶのはクラスのムードメーカー志賀 直耶(シガ ナオヤ)くん。


志賀くんとは昨年から同じクラスで、運動神経抜群の渚桜とそこそこの私は志賀くん含めた何人かの男の子とよく遊んでいた。


内容は鬼ごっこだったり缶蹴りだったり、ドッチボールだったりバスケットボールだったり…色々。



『うん、いーよ!』