冬恋~さいごの贈り物~



「芽依…本当にここでいいの?」



場所を選んだのは他でもない、私。


変にかしこまった場所より気軽に来れるここの方が何かと都合がよかった。



「うん。ここがいい」



「そっか」



「…私の小学校生活はいたって普通だった。そのまま卒業するつもりだったんだ……」



今まで誰にも打ち明けて来なかった過去を。


今日初めて誰かに口にして伝える。


「────最上 渚桜(モガミ ナギサ)。それが私の小学校で1番仲の良かった友達。親友だって思ってた。大好きだった。何があっても見方でいてくれるって、信じてた…」



私は少しずつ重たい口を開いた。



「小学校の時についた裏切りという名の傷は、深く深く私の心に刻まれた。その傷は、癒えることなんてなかった──────」



















────────────思い出したくもない、









私の過去───────────────────











─────────────────────……




きっかけは些細な事だった。



『めーいっ!おっはよー!』



『渚桜!おはよー!』



彼女は入学当初から5年間ずーっと同じクラスで私の大好きな友達、最上 渚桜。


沢山遊んで沢山おしゃべりをして…渚桜の事は何だって分かる自信がある!




─────────それほど自慢の親友だった。





『聞いたよ~?芽依、また告白されたんだって~?!しかも!今回の相手は隣のクラスのイケメンくん!』



『さすがっ!渚桜は情報早いなぁ(笑)』



渚桜はかなりの情報通で人望も厚い。


私はそんな渚桜が憧れでもあった。



『芽依ってば本当、モテるよねっ!美人だし色白だし当たり前かっ♪友達として嬉しいよっ』