「どぉして…?どうして奏穂が謝るの…?悪いのは全部わた…」
「違う。悪いのは芽依だけじゃない。…辛い時、傍にいてあげられなくてごめんね。もっと早く声をかけるべきだった…」
あたしが怖がってもたもたしてたから…。
「奏穂…。どうしてそんなに優しくしてくれるの…?私、奏穂にっ、ひどいことした…」
「何でってそれは…親友だから、かな。ねぇ芽依聞いて?」
「…なに?」
「あたしは中学1年生の頃から芽依を知ってる。今回みたいに芽依が傷つくような事が、もしかしたらこの先もあるかもしれない。だけどね、あたしは何があっても誰が何を言ってても。──────芽依の味方でいる。それだけは忘れないで…」
周りの人が聞くと、所詮中学からの付き合いだって思うかもしれない。
あたしよりも芽依の事を知ってる友達だっているに決まってる。
だけどそれでも、あたしが芽依の親友である事には変わりない。
時間なんて、関係ないんだ────────────────
だから…
「だからね、1人で抱え込もうとしないで。だってあたしは…芽依が大好きだから」
あたしはこれ以上、親友が苦しむ姿を見たくない…。
伝えるのが遅くなってごめんね、芽依。
「奏穂…?と芽依…」
その時、廊下の向こうから部活終わりなのかタオルを首にかけた海叶がやってきた。
その後ろを莉玖翔と空羽が追ってやってくる。
「みんな…」
芽依の様子を見て何かを感じ取った3人は、それぞれに行動をし始めた。
「とりあえず、下校時間すぎるから。奏穂と芽依は靴はけ」
「俺、2人の荷物取ってくるよ‼」
「じゃあ俺は部室の鍵、返してくるから。皆いつもの所で」



