「おばあさんの事、残していくのは正直不安だと思う。けど…俺らにとって、空羽にとっての''今日''も今しかねー。ここに来たくなったらそう言え。ついてくから。お前は1人じゃねーだろ?」
「無理して元気に振舞う必要なんてない。俺たちには遠慮なんてしなくていいんだよ。俺たちはただ空羽と一緒にいたいだけだから。だって俺たち、親友だろ?」
皆の気持ちが痛いほど伝わって。俺は素直に嬉しかった。
親友が皆でよかったって、そう…心から思ったんだ。
「…うんっ。俺も…俺も、皆と一緒にいたい…っ‼」
「よかった…。おばあさんの病室にアイリスの花を持って行ったんだ。空羽も一緒に行ってその花にあたしたちの思いを…空羽の願いを託そうよ」
俺は花に詳しいわけじゃないけど…アイリスは知ってる。
今の俺たちにぴったりの花言葉。
──────ねぇおばあちゃん、届いてる?
みんなもおばあちゃんに会いたがってるよ…────────
「よし、じゃあ病院に…」
莉玖翔が言葉を発した、そんな時だった。
「…だ、そんなの綺麗事だよ!奏穂…っ」
様子がおかしいなって。いつもと違うなって思ってたけど…
どうしたんだよ…
「芽依…?」
いつもはうるさいくらいに喋るのに、今日はあまり話さないから。
それだけ心配かけてたんだって思ってたけど…どうやら違うみたい…?
「…芽依?ごめん、あたし何かしちゃったかな…?」
俺だけじゃない、奏穂も。海叶も莉玖翔も。
何がなんだか分からない様子だった。
「くうの為だって、親友だからって奏穂はそう言ったけど!それはくうが''男''だったからじゃないの⁈結局女なんて皆同じ…。私は女なんて…奏穂なんてだいっきらいっっ……!!」



